キャリア

IT資格はいらない? キャリアと年収への影響度を考察

ITエンジニアの仕事は、医者や弁護士とは違い資格(ライセンス)がなくてもできます。にもかかわらずIT業界には様々な資格があります。

ではこの資格は取得すれば何かいいことがあるのでしょうか? キャリアップや収入アップにつながるのでしょうか?

資格は種類によって難易度がピンキリですが、勉強なしで取れる資格はほとんどありません。書籍を購入し、幾分かの時間をかけて勉強する必要があります。お金、時間、労力を投資するからには何らかの見返りが欲しいところです。

今回はITの資格の意味、取得して得られるリターンについて説明します。

この記事が役に立つ人

資格を取ろうかどうか迷っている人
資格の勉強にモチベーションが持てない人

IT資格の種類

資格取得の意義を考える前に、ITの資格にどんな種類があるのか、またその種類の特徴を説明します。

ITの資格は、国家資格ベンダー資格に大別されます。

国家資格

国家資格は、全てのエンジニアを対象とした資格である、ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者があって、その上位にマネージャー系とエンジニア系の専門資格がいくつかあります。

難易度は下記の様に位置づけされていますが、順番に取得していく必要はありません。資格を何も持っていなくても、いきなり応用情報技術者やその上位の専門資格を受験することができます。

難易度 資格
ITパスポート
やや易 基本情報技術者
やや難 応用情報技術者
マネージャー系(プロジェクトマネージャー、システム監査技術者など)
エンジニア系(システムアーキテクト、データベーススペシャリストなど)

受験は春と秋の年2回できます。受験料は5000円程度で国家資格なので安めになっています。

資格の有効期限はありません。一度、取得すれば更新は不要で一生ライセンスホルダーになれます。

ベンダー資格

ベンダー資格は、ベンダーが提供している認定資格です。代表的なのは、オラクル、Cisco、MCPなどです。最近は、AWSやGCPなどの認定資格も出てきました。

ベンダー資格は、ルールは全てベンダーが決めているので、受験料や受験日、有効期限、受験資格など様々です。大抵はいつでも受験できて、落ちてもちょっと期間を置けば再受験できるようになっています。またレベルか何段階かに設定されていて、上位資格の受験可能条件として下位資格の取得を設定されており、下位の資格から取得していかないといけないケースが多いです。

受験料は国家資格と比較すると高めで、2~3万円ぐらいです。中には何十万円もするものまであります。

ベンダー資格は有効期限が短いのがほとんどです。だいたい2,3年で期限切れになるので、資格ホルダーの状態を維持するには期限内に再度受験して合格する必要があります。

有効期限が短く設定されているのは、ベンダーの技術はどんどん新しくなっていき数年過ぎれば以前の知識は通用しなくなるというのが理由です。しかしこれは建前であって、本当の理由はベンダーが資格で商売しているからです。いわゆる資格商法というやつでして、受験料が高いのも、下位資格から順に資格を取得しなければいけないのも、任意のタイミングで年に何回も受験できるのも、有効期限が短いのも、何度も試験を受けさせてベンダーが受験料で収益を得るためです。

IT資格はいらないという主張の正否


ITの資格は取っても役に立たないとか意味ないとかネガティブな意見を耳にすることも多いです。これは本当のことなのでしょうか?

私はIT業界で働き始めた頃、Ciscoの資格である CCNA, CCNP, CCDA, CCDP, そしてLinuxの資格の lpic level1, lpic level2 を取りました。これらは一度も更新することなく失効しました。また、国家資格の基本情報も持っています。おそらく平均的なエンジニアよりは、資格取得に労を割いたほうだと思います。

しかし私は決して資格マニアではありません。資格取得の勉強が楽しいと思ったことは一度もありません。全てはキャリアアップのために頑張ったことでした。では資格を取得した結果どうなったのか。資格に対してよくある意見について、正しいのか間違っているのか、実際にどうだったのかをまとめてみました。

資格に対する意見/評価 正しい or 間違っている
資格を取っても意味ない 間違い
資格は役に立たない 解釈による
資格を取っても技術力は付かない 概ね正しい
資格がなくても仕事はできる 正しい
資格がなくても仕事に困らない 人による

IT資格の存在意義

IT資格の評価を端的に言うと、技術取得の観点からだと役に立ちませんが、経験があまりないエンジニアのキャリアップには役立ちます。

逆に言うと、経験が豊富で仕事の獲得に困らない人にとっては資格は全く意味がありません。資格は役に立たないという人はこの層の人です。上からものを言って快感を得ている輩もいるので、あまり真に受けないほうがいいでしょう。

資格を取らなくてもキャリアを築くことができた人は、最初に就社した会社がよかったのでしょう。キャリアに結びつかない案件ばかりアサインされるという会社や環境があるという現実を知らない可能性もあります。

資格は技術を身につける手段ではない

ITの資格の内容は、全く業務に役立たないというわけではありません。知識が身につくことは確かなので、知らないことを知るという点でエンジニアとしての成長にはつながります。

ただ、やはりどうしても紙の上の勉強になるので、技術力への結びつきは弱いです。また重箱の隅をつくような内容もあり、業務とはかけ離れた知識も求められたりします。

純粋に技術力を身につけたいなら、資格の書籍ではなく技術書を読みながらハンズオンに取り組む方が効率的
です。

資格はキャリアップにつながる仕事を獲得するためのもの


資格は技術や知識を身につけるためにあるのではありません。経験はないけどキャリアップにつながる仕事を取得するため、そのためだけにあります。資格取得はこれぐらい割り切って取り組むべきです。

ITの仕事は未経験で始めることができます。ただその場合の仕事は簡易的なオペレーションであることが多く、長く続けてもキャリアとは見なされないという現実があります。この状況から脱却するためには、エンジニアとして成長できる、つまりはキャリアに有用な仕事につくことが必要なのですが、これが簡単ではありません。

私のキャリアはITゼネコンの最下層から始まっているので、この厳しい現実を知っています。「経験あまりないねー。新人でもいいんだけど、やっぱり1~3年ぐらいは経験ほしいんだよね。ウチとはちょっと合わないねー。」なんてことを言われるのは日常茶飯事です。

この時に役立つのがIT資格です。企業によっては資格が必要以上で評価されることも多く「できれば経験者が欲しいんだけど、未経験でも資格があるなら考える」というケースがあります。ここにワンチャンスあります。

またベンダーのパートナー企業だとパートナー認定のために資格保有者が何人以上必要という事情があります。こういう企業も、特に若手の場合は経験より資格保有を重視されます。

こういった事情から、IT資格はキャリアップのための案件アサインや転職活動に役立つことがあります。

資格と年収の関係


資格が直接、年収アップに結びつくことはほとんどありません。職を得やすくはなりますが、資格なしで仕事を得た人と待遇が変わることはないでしょう。同じ仕事をしているけど、Aさんは資格があるからBさんより年収がいいということは普通ありません。

例外として一部のSIerでは、資格があると月1~3万円程度の手当があるケースがあります。この場合は、年収にして2,30万円ぐらい増えます。まあ微々たるものなので考えなくていいと思いますが。キャリアアップをしたときの年収アップはこんもんじゃありませんからね。

まとめ

ITの資格についての考察でした。ITの資格は、仕事を請け負いたい弱い立場のエンジニアがベンダーの食い物にされているという構図があるので、勉強のモチベーションが上がりづらい者です。

ただキャリアアップをしたいのに案件アサインや転職に苦しむエンジニア目線からしたら、資格はわかりやすくて効率のいい手段でもあります。

長いエンジニア人生を考えると、資格取得のために投資する時間や労力は微々たるものです。なので、開き直って資格取得を目指すのはいいことだと思います。逆にもっともらしい理由を並べて資格取得程度の努力を否定するようなら、この先IT業界でやっていくのは難しいかもしれません。

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tara
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年収360万円でIT業界のキャリアスタート
SES -> Web業界 -> 大手メーカー -> フリーランス
と経験してきて、現在は年収1000万円を越えました。

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